商法・会社法は、行政書士試験の中でも難易度が高く範囲も広い科目です。
会社法の条文数にいたっては約1000条もあるので、初めて勉強する方はどうしていいか途方に暮れているかもしれませんね。
この記事では、行政書士試験で出題される商法・会社法の勉強法について経験談を交えて紹介したいと思います。
目次
商法・会社法とは?
商法・会社法は、行政書士試験の中でも難易度が高く範囲も広い科目です。会社法の条文数にいたっては約1000条もあるので、初めて勉強する方はどうしていいか途方に暮れているかもしれませんね。
しかも、出題数はと言えば、商法1問、会社法4問とあまり多くありません。
つまり商法・会社法は、「学習する範囲は膨大なくせにリターンは少ない」という受験生泣かせな科目なのです。
商法・会社法の試験対策のポイント
商法・会社法は受験生泣かせな科目ではありますが、全く勉強しないわけにはいきません。商法・会社法の試験対策のポイントについて考えてみましょう。
まず商法・会社法については、深入りをしないことが他の科目以上に大切になってきます。
何せ会社法だけで約1000条、それにほんのちょっぴりですが商法も勉強しなくてはいけないのですから、深入りしていたらいつになっても試験対策が終わらなくなってしまいます。
得点の目安
まず、商法は1問しか出ませんが、とても簡単です。この1問は死守しましょう。商法は簡単なので、勉強が進めば初見の問題でもほぼ取れるようになります。
会社法は4問中2問取れれば十分です。合格を目指すなら目標は商法・会社法全体で5問中3問は取れるのが望ましいと言えます。
ただ、会社法は年度によっては本当に難問奇問が出題されるので、全く取れないという可能性もあります。
それはそれで仕方がないので、とにかく商法の1問を死守して5問中1問取れれば御の字くらいの気持ちでもかまいません。
行政法や民法を完璧に仕上げないといけない理由
商法・会社法から少し脱線しますが、行政法や民法をほぼ完璧に仕上げないといけない理由、おわかりいただけたでしょうか。
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行政書士試験は、行政法・民法、できれば憲法も、ほぼ完璧に仕上げておかないと、商法・会社法、多肢選択、記述、一般知識、の得点があまり期待できないために一気に難易度が高くなってしまうのです。
逆に言えば、商法・会社法が得意な方は、行政法や民法で多少点を逃しても十分巻き返せるので余裕がありますね。
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商法・会社法の勉強の仕方
商法・会社法については、深入りが禁物な科目です。基本テキストや過去問に載っている範囲の学習だけで十分です。
それ以外の箇所に手を出し始めると、どこまでも学習範囲が広がってしまいます。
また、近年の行政書士試験の傾向として、商法・会社法の出題が基本知識で十分答えられる問題が多くなっています。
過去問とよく似た論点が出題されていることもあります。商法・会社法は、過去問と基本テキストの反復学習が効果的です。
商法・会社法の捨て問
過去問をある程度こなしておけば、おそらく3問くらいは「何となくこの問題わかるかも?」的な感覚で解けるかと思いますが、中には複雑な事例を問われる問題もあります。
過去問で全く見たことも聞いたこともないような論点は、捨ててもかまいません。そういった問題は受験生の大半が解けないので、合否に直結しませんから。
特に、商法・会社法でよくわからない論点が個数問題として登場したら、見た瞬間後回しにして他の問題を解く方が良いでしょう。そんな問題はまず解けません(笑)
もちろん、どこにもマークしないのはご法度なので、どこでもいいから塗りつぶすのは忘れないようにしてくださいね。
当たれば「4点もらえてラッキー♪」です。もちろん、時間に余裕があるならじっくり考えて答えればいいですよ。
商法・会社法の注意点
ひと昔前の初学者向けに書かれた行政書士試験必勝法で時折見られるのが「商法・会社法は捨てて、全部4にマークしておきましょう」というものでした。
実は昔は何故か商法・会社法の正解肢に4が多かったのです…それがなくても、5問5肢あるので5分の1の確率で1問くらい取れるのではという目論見もあったと思われます。
…が、今は商法・会社法を捨てるのはもったいないので、初学者でも頑張って過去問くらいは何とか取り掛かりましょう。
もったいない理由は「商法・会社法の勉強の仕方」でも触れたとおり、過去問の知識で十分答えられる問題が増えているからです。
一見難しい科目ではあるけど、難しいからといって学習しないというのはもったいないのです。
それに会社法は、実務の場では必ずと言っていいほど必要となってくる法律なので、合格後は開業を考えている方なら特に、今のうちに学習しておくといいですよ。