行政書士の難易度

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行政書士の難易度

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行政書士 難易度』で調べてみると、法律資格の登竜門だから簡単という声もあれば、難関資格なので覚悟して挑むべしとの声もあります。

「本当のところ、どっち?」と思ってしまいますよね。そんなわけで今回は『行政書士試験の難易度』について合格者の目線から実際の難易度を紹介したいと思います。

 

合格率からみる行政書士の難易度

まず最初に、試験統計データから難易度を確認してみましょう。

こちらは、過去行われた行政書士試験の合格率です。行政書士試験研究センター が公表している正式データです。

 

行政書士の合格率の推移

年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
H18 88,163 70,713 3,385 4.79%
H19 81,710 65,157 5,631 8.64%
H20 79,590 63,907 4,133 6.47%
H21 83,819 67,348 6,095 9.05%
H22 88,651 70,586 4,662 6.60%
H23 83,543 66,297 5,337 8.05%
H24 75,817 59,948 5,508 9.19%
H25 70,896 55,436 5,597 10.1%
H26 62,172 48,869 4,043 8.27%
H27 56,965 44,366 5,820 13.12%
H28 53,456 41,053 4,084 9.95%
H29 52,214 40,449 6,360 15.7%
H30 50,926 39,105 4,968 12.7%
R1 52,386 39,821 4,571 11.5%
R2 54,847 41,681 4,470 10.7%

※合格者数/受験者数で合格率を算出しています。

 

行政書士の合格率は約10%前後

見たところ、合格率はおよそ10%前後で推移しています。平成29年度は15%を超えましたが一過性だと捉えておく方がよいと思います。

特に注目するべきは、平成26年度。

実は平成26年度は新試験制度開始以来初の補正措置(救済措置)が発動し、合格ラインがこの年のみ従来の合格基準が180点から166点へと変わりました。

その理由は難易度の調整。つまり例年に比べて平成26年度の試験はかなり難しかったのです。
 

補正措置(救済措置)とは?
年度ごとの試験の難易度の違いで、一定の合格者数を保てない場合、合格基準を変更すること。平成26年度の行政書士試験では、法令等110点以上、一般知識等24点以上、全体166点以上の合否判定基準となりました。

 
補正措置を設けてでも難易度を調整してきたということは、今後も合格者数はおそらく10%ないし4,000~5,000名を確保しにくるのではと、識者の間では予想されています。

ちなみに10%ということは、学校で例えれば1クラス上位3~4人程度が合格するということですね。

これを難関と受け取るか簡単だと受け取るかは、まさに人それぞれでしょう。

行政書士の合格率は約10%。難易度の高い試験ですが毎年4,000~5,000名合格しています。

 

年代別の受験者数と合格率

年代区分 受験者数 合格者数 合格率
10歳代 558 51 9.1%
20歳代 7,289 1,336 18.3%
30歳代 10,015 1,901 19.0%
40歳代 10,976 1,696 15.5%
50歳代 7,705 963 12.5%
60歳代以上 3,906 413 10.6%

※平成29年の統計データです

 

30歳代の受験生が最も多く、合格率も高い

年代別の受験者数では30歳代・40歳代が多い傾向にありますが、合格率が高いのは20歳代・30歳代です。

もちろん年度によって難易度も異なりますし、受験者数も異なるため、一定ではありますが例年似たような傾向です。

「若いから暗記しやすい」と決めつけちゃいけませんよ。将来のことを考えて「本気で勉強している」人が多いのです。

 

実際の受験者層からみる行政書士の難易度

 

受験者のトップ層のレベルが上がっている

統計データだけではわかりにくいのが受験者層からみる難易度でしょうか?実はここ数年、法学部や司法試験の受験生の腕試し受験が増えたといわれています。

つまり受験者のトップ層の実力はかなりUPしています。

法律を専門的に勉強している方なので法律初学者が1~2年勉強するのとでは基礎知識などベースが違います。

 

申込者-受験者=1万人以上。受験辞退者も多い

合格率は、合格者数÷受験者数で算出されていますが、行政書士試験においては申込者-受験者=1万人以上がいます。

つまり、試験勉強をして試験に申し込んだけれど、やっぱり受験しないという方の数です。

勉強したけど自信がないという方もいれば、時間的都合が悪くなった方もいます。ただ他の国家試験に比べて、申し込み後の受験辞退が非常に多いのです。

つまり、幅広い方々が行政書士試験の勉強をしていると捉えることができます。

 

行政書士試験はやっぱり難関資格

毎年必ず一定数いるのが記念受験の方です。当初は志高く勉強始めたものの途中で挫折して、申し込み済だから受けるだけ受けてみようという人も実のところ結構いるのです。

正式データが公表されていないため数値にすることはできませんが、記念受験組を差し引いても案外合格率は低くはないと考えられています。

事実、真剣に1~2年勉強しても、不合格となる方も非常に多いのです。

見方を変えれば、難関資格だからこそ価値があるんです。一度合格してしまえば行政書士の資格は一生ものになりますので、一度受験すると決めたら最後までがんばりましょう!

難関資格だからこそ、行政書士の資格を取得する価値があると思いますよ

 

合格までに必要な勉強時間

大手資格予備校では、行政書士試験合格までの勉強時間目安を500~1,000時間と記載されています。

実際、行政書士の合格者100名に合格するまでにかかった勉強時間を尋ねたところ、約1,000時間前後という方が多かったです。

もちろん元々法律知識があるか否か、学習効率の良し悪し、などにより大きく差はつきますが...一つの学習目安として1,000時間。

つまり年間300日学習するとしたら、一日3~4時間は学習に時間を費やす必要があるということです。

行政書士に合格するまでの勉強目安時間は1000時間前後

ちなみに、行政書士試験に300時間で合格した方もまわりにいますが...難関大学出身の方でもともと偏差値が高いとか、法学部出身で法律の基礎知識があったとか、そういう方が多いのです。

私の場合は法律の「ほ」の字も知らないくらいド素人から行政書士の勉強をはじめ、一日2~4時間を1年半の間欠かさず学習し続けました。

累計すると、やはりおよそ1,000時間前後はかかっていることになります。

受験勉強は大変でしたが、本当によかったと思ってます!

 

 

1年ストレートで行政書士に合格する人の割合

全くの初学者で一発合格する人は、そんなに多くはありません。

行政書士試験はというと、試験範囲が結構広い上に仕事をしながら受験する方が多いので、最初の一年目はどうしても試験範囲をこなすだけで精一杯になりがちです。

正確なデータが公表されていないため割合は不明ですが...

わたしの知人や予備校の体験記などを読んでいても大半の方が複数回受験しています。

ちなみも、初年度の受験は不合格でした..

おそらく、行政書士合格者の中で一発合格者の割合は10%にも満たないのではないかと思います。

それも独学で行政書士試験一発合格…となると、さらに道は険しくなるというのはおわかりいただけるかと思います。

 

1年ストレート合格する人の特徴

それでも一発合格する方はもちろんいます。
どんな方が行政書士試験に一発合格しているかというと「法的思考力を早い段階で身につけた人」が要領良く合格の切符を手に入れています。

この法的思考力が身に付かないと、行政書士試験に受かるのはかなり厳しいと言えます。

最初からすぐというのは難しいことですが、早い段階から法的思考力を身に付けることを意識してみてください。

法的思考力については、また別のところで詳しく触れる予定です。

また、何かにつけ素直に謙虚な姿勢で学び取ろうとする方も、早く合格する傾向があります。素直な方ほど知識を吸収しやすいのでしょうね。

 

行政書士の独学で合格する難易度

独学合格が可能か否かというと、もちろん可能です!どうしてそんなに強く言い切れるか?

それはもちろん、私自身が独学で合格したからです(笑)

法律の「ほ」の字もわからなくても毎日コツコツ勉強すれば合格はできるので恐れることなく果敢にチャレンジしてもらいたいです。

ただ、合格の割合で言うと、独学1年目で行政書士試験に合格するのはかなり厳しいと思われます。複数年受験は覚悟してくださいね。

2~3年頑張って合格したら人生が変わるかもしれない!と思ってがんばりましょう!

 

行政書士の難易度まとめ

行政書士試験の難易度についてデータでこうして見てみると、自分なりに、難しそうだな~とか何とかなりそうかも~とか、ぼんやりとでもつかめてきたのではありませんか?

行政書士試験は、本気でやれば独学でも合格は絶対可能です。

ただし、やるなら今年絶対受かる!と覚悟して取り組まないと受かるのは厳しいと思ってください。

…なんて怖いことを言ってみましたが、まずは気軽に勉強をはじめてください。

もし法律初学者であれば、初心者向けのテキストもたくさん出ているので、そういった本からゆっくり読んでみてくださいね。

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