行政書士試験における基礎法学は、法学全般の基礎的な知識を問う科目で、例年2問出題されます。
基礎とは言っても誰でもわかるような簡単なものではなく、やはりある程度学習経験がないと難しい科目です。
この記事では、基礎法学の対策法について経験談を交えて紹介したいと思います。
基礎法学の試験対策のポイント
基礎法学は、具体的に出題範囲が決まっているわけではなく、どこから出題されるかわかりません。しかも全問正解したところで2問、8点にしかなりません。
そのため、基礎法学の試験対策のポイントは「基礎法学のための勉強をわざわざする必要はない」となります。
その分、出題数の多い行政法や民法の勉強に力を注いだ方がはるかに効率は良いと言えます。
対策ポイント
「基礎法学のための勉強をわざわざする必要はない」と書きましたが、それでも意識しておかなくてはいけないポイントはあります。
- 普段の生活やニュースで話題になった時事問題
- ニュースで話題になった社会制度に関する話
- 話題になった法改正
などのポイントは普段から意識しておきたいところです。
例えば、平成28年度の本試験では、ここ数年「今年こそ出る」と言われ続けてきた裁判員制度に関する問題がやっと出題されましたね。
裁判員制度は、いつ出題されるかはわからないけどいつかは必ず出題されるであろう問題でした。しかも平成25年度には、類似した制度である検察審査会も肢のひとつとして出題されています。
なので行政書士試験を受験するという人であれば、裁判員制度(と抑えに検察審査会も)は当然勉強していないといけなかった問題です。
このように、普段の生活やニュースで話題になった時事問題や社会制度に関する話、法改正については、普段からアンテナを立てておく必要があるのです。
基礎法学の勉強方法
基礎法学は、わざわざ勉強をするというよりは、他の科目の学習をしていく中で自然に知識が身についていくといった感覚でいた方がいいでしょう。
本試験では大抵、問1は受験生の心をくじくような難問奇問あるいはボリュームたっぷりの文章だったりします。
時間をかけさせようとしている意図も時には感じられたりします。それに対し、問2は普通に行政書士試験の勉強をしていれば自然に知っていて当たり前の知識が問われる傾向にあります。
トータルで考えると、基礎法学は2問中1問取れれば十分です。ただし、それは「例年であれば」の話であって、2問ともサービス問題であれば話は別です。
基礎法学がサービス問題になることもある
例えば平成28年の基礎法学は、行政書士試験にしては珍しく2問ともサービス問題でした。
平成28年度本試験の基礎法学問題は『裁判員制度』と『条文の形式』を問う問題ですが、どちらも合格レベルまで学習を重ねた受験生なら取れて当たり前かと思います。
もっとも、本試験の独特の雰囲気を考えると、どちらか1問は落としても仕方がないかもしれません。
取れる人は2問とも取れるし取れない人は2問とも取れないとはっきり差がつきやすい問題で、高いレベルまで学習をしているかそうでないかの差がはっきりと表れた良問だったと思います。
基礎法学の注意点
基礎法学のための勉強をわざわざする必要はありませんが、過去問はしっかり解いておきましょう。行政書士試験は時折過去問の焼き直し問題が出題されます。
行政書士試験の基礎法学は一般知識や憲法と繋がりが深い問題が出題されることも多いので、基礎法学の過去問を解いておくと、基礎法学の学習になるのと同時に一般知識や憲法対策にも繋がります。
また、基礎法学なので当然と言えば当然なのですが、法律科目全般を学ぶために知っておくべきことを問われることもあります。
例えば『法令用語』や『法の効力及び解釈』あるいは『法令の構造』に関する問題などです。
特に法令用語は、普段法律の学習をきちんとしていれば自然に身についているはずのことを問われているので、出ればラッキーですね。
基礎法学の勉強の仕方の項目でも書きましたが、行政書士試験では問1に受験生の出鼻をくじく問題が置かれてある傾向にあります。
そこでひとつ良い対策方法があります。問題を解く際に、問1から解かないことです。
どこから解くのも自由ですが、他の問題を先に解いて少しウォーミングアップをしてから、問1に戻ってくることをおすすめします。